「曲がり角」は誰にでも訪れます。 企業にも訪れます。

“排ガス不正問題”で渦中にあるドイツのフォルクスワーゲン社が、2015年のグループ世界販売台数が前年比2・0%減の993万600台だったと発表しました。
年間の販売台数の前年割れは2002年以来、13年ぶりだということですね。

組織の関与も認めているようですが、会社組織も思考が硬直すると、さまざまな問題を引き起こします。
経営トップ自らが組織を信頼できなければ、組織は硬直します。

曲がり角にどう立ち向かうか?

孫子の兵法、「君子の口出し」という戒め

明治の歴史の中にこんなエピソードがあります。

それは、日露戦争のときの、満州軍総司令官大山巌元帥と参謀長児玉源太郎大将の名コンビです。

大山元帥は、茫洋としてトボケの名人でした。 当時、陸軍きっての智将といわれた児玉大将はかねてから、茫洋たる人柄の大山に心服し、「ガマどん(大山)が司令官になるなら俺が参謀になる」と。

大山は、総司令官に任命されると、この児玉を参謀長に起用し、作戦の一切を任せました。

大山は、ロシア軍の砲弾が司令部の近くに落ちてものんびりと昼寝などを楽しみ、時々、児玉たちが作戦を練っている席に顔を出しては、「今日も戦争でごわすか」などとトボケていたといいます。

児玉を信頼してすべてをまかせたのですね。

実際は、なかなかこうはいかないかもしれませんが、少なくとも補佐役の力を引き出せるかどうかは、トップの出方いかんにかかっているといえます。

守屋洋さんの「孫子の兵法」に書いてありました。

「まことにそうであります」と思った次第です。
少し、昔口調になってしまいましたが...。

「補佐役と君主の関係が親密であれば国は必ず強大となり、逆に、親密さを欠けば国は弱体化する。このように将軍は重要な責務を負っている。君主が余計な口出しをすれば、軍を危機に追い込みかねない。」 と。

つまり、人の力をどうやって引き出すか、それはコミュニケーションと信頼なのでしょう。

そんなことを考えながらこのニュースを聞いておりました。

信頼の回復

VW社もユーザーの信頼を損なったわけですから、ここから信頼を取り戻す起死回生の満塁ホームランはあるのでしょうか?

どう考えてもすぐには難しいでしょうね。

時間が解決してくれると言いましても一度失った信用です。
まして、自動車ですよ。 人を乗せる自動車という乗り物に必須の条件である「安心安全」という大事な柱も揺らいだわけですから、これは厳しいです。

そう考えると、これからは「信頼を勝ち取るヒット(技術・性能)を一つ一つ積み重ね、誠実(安心・安全)にユーザーと向き合っていくことしかない。」 と思いますね。

組織を変えるリーダー

その話を娘に言うと、面白い返しを受けました。

娘「わかるわ。 うちの大学病院もそう。 みんな辞めたいとか出て行きたいとか言うのよ。 この病院や大学を愛する気持ちが薄いのよね。 これを熱く語るリーダーが不在なのかもしれない。 だからダメなのよね。 このままじゃ、きっと問題が起きるわ。」
と、恐ろしい発言を...。

組織は「人」の集団です。組織を生かすも殺すも「人」です。

ひとりひとりは誠実であろうとしても、組織においては、誠実を超えた組織の利益が優先されることがあります。

その組織が正しい方向へと導かれるためには、組織としての誠実を最も知る人が組織のリーダーであるか、ということだと思うのですね。

私たちの責任

あなたはどんなリーダーについて行きたいですか? 部下を持つあなたなら、自分はどのようなリーダー像でしょうか?

人は集団になると、リーダーの良し悪しでその行く手行く先は大きく変わってくるのですね。

個人であっても、自分がどのようなメンター(リーダー)に付いて行くか、その選択で大きく道は分かれます。

いずれにせよ、その選択の中に身をゆだねたのは私たち自身です。 私たちの責任です。

 

~ まとめ ~

組織が曲がり角にきたとき、

最も信頼できる人に任せることができる“人として偉大なリーダー”が求められます。

とにかく、リーダーは「信頼して任せてみる」ということです。

もうひとつは、人として、組織人として「誠実に愛情をもって熱く取り組む」リーダーが求められるのですね。

とにかく、リーダーは「言葉や行動で示す」ということです。

そのようなリーダーの後ろ姿を見れるからこそ、みんな頑張ろうと思います。

そのようなリーダーの気持ちが伝わるからこそ、みんな“いい顔”をしてます。

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