前回、ブランド総合研究所が、回答者2万9046人のデータを集計した47都道府県の「郷土愛ランキング」データを分布図へ落としてみました。

誇り高き郷土愛が強い都道府県は、
上位ナンバー3が、「京都府」、「北海道」、「沖縄県」。
次にくるのが、「福岡県」、「熊本県」、「大分県」のいずれも九州3県。
これに続くのが、「長野県」そして「宮崎県」でした。
いづれも観光には自信を持っている地域ばかりです。

前回の記事 ⇒ 都道府県・郷土愛ランキングの分布図から見えてきたこと
        グラフランキング表はこちらから参照してくださいね。

ちょっとあやしい福岡県、県人としては検証してみる義務があります。

 

福岡県の郷土愛は本物?

この中で福岡県は、「具体的にここが誇り」と
詳細12項目のうち9項目で上位10位以内につけているんですね。

福岡に住む筆者としては、どこがそんなに誇りなのか、
「独りよがりじゃないの?」という想いも交えながら、
少し突っ込んで検証したいと思います。

 

誇りと思う要素の確認

☑調1 「海・山・川・湖などの自然が豊か」

確かに全国に知れ渡った景勝地はありませんが、しいて挙げるなら玄海国定公園です。 東は北若松海岸から西は伊万里湾近辺まで広範囲に広がる公園。 海岸線一帯には三里松原、さつき松原、古賀ノ松原、生の松原、幣の松原など数多くの松原が見られ、浜辺は日本海の白砂が映えます。

この玄海灘は、対馬海流が流れる世界有数の漁場なんです。
おかげで、上は藍島から西の福吉まで37の漁港があります。

私の遊び場は、岩屋、波津、鐘崎、神湊漁港ちかくのポイントです。 釣りよし魚よし、それに秋から冬はサーフィンも出来るんですよ。

150万人規模となった福岡市。 何が良いかって、住みやすいですし、食べ物は美味しいですし、なによりも大都会であっても、海や山の自然が30分以内に行けるという立地です。 強烈な観光スポットはないですが...、その分海・川・山・繁華街のすべてが手軽に入ります。。

誰しもが住めば都ですよね。 少し自慢が入っています。

 

☑調2 「誇れる温泉やレジャー施設・公園などがある」

「誇れる」という冠言葉がつくと、上位へ食い込むにはちょっと二の足を踏みますね。

周辺には温泉地として有名な熊本や大分が控えています。
しかし福岡にも立派な温泉はあるのです。

脇田温泉、県北にある宮若市きっての人気スポット。 古く奈良時代からの歴史を持ち、犬鳴川沿いを中心に6軒の温泉どころがあります。

博多の奥座敷、二日市温泉、特に「大丸別荘」さんはおススメです。 万葉集にも歌われた1360年よりの歴史を持つ温泉宿です。 私もなんどかお邪魔しました。 お部屋も素敵なんですが、大浴場に飾ってある日本画の女性が魅力的なのです。 ちょっとマニアックすぎますね。

県南には、「原鶴温泉」や「筑後川温泉」、それに「船小屋温泉」や「柳川温泉」などもあるんです。 高速からすぐですから便利ですよ。

 

☑調3 「スポーツの参加・観戦が楽しめる」 3位

スポーツ観戦なら文句なく福岡ソフトバンクの本拠地「ヤフオクドーム」でしょうね。

収容人員は38,500人で、開閉式屋根はチームが勝利したときには花火とともに開くんです。 スーパーボックスからの眺めもいいですが、コカ・コーラシート、是非経験してみたいです。

他の施設としては、福岡空港のそばにある、「東平尾公園博多の森球技場」にある「レベルファイブスタジアム」。 収容人数は、22,563人で、J1に昇格したアビスパ福岡、それにラグビートップリーグのJリーグのアビスパ福岡、ラグビートップリーグのコカ・コーラウエストレッドスパークス、トップキュウシュウの九州電力キューデンヴォルテクスなどがホームスタジアムとして使用しています。

2016年3月から「HAWKSベースボールパーク筑後」がソフトバンクの2軍3軍本拠地として、九州新幹線筑後船小屋駅の近くにできました。

 

☑調4 「伝統芸能、祭り、イベントがある」 5位

全国でも誇りといえば、言わずと知れた「博多山笠」と「博多どんたく」でしょうね。

確かにどちらも福岡を代表する行事ですが、冠に「博多」の2文字があるでしょう。 そうです。 博多人のお祭りなんですね。 めんどくさがりやの福岡県民は、博多人でなくても、「はい、博多山笠で有名な福岡から来ました。」と自己紹介してしまいます。

たまに、「追い山はすごいんでしょ。まじかで見ると迫力あるって、どうです?」なんて聞かれることがあります。 しかし、クライマックスの「追い山」を見ようとすれば、早朝の行事ですから夜中じゅうコースに踏ん張ってないといけません。 桟敷席はなかなか手に入りませんので、福岡県民でもしっかり見たことがある、という人間は少ないと思います。

観光で来られるならお昼間にある「追い山ならし」か「集団山みせ」をお勧めします。

博多山笠」は、7月初旬の15日間の日程で、男たちは、無事を祈って禁忌をたてます。 それが「胡瓜断ち(きゅうりだち)」と「女人断ち(にょにんだち)」です。 守れますか! ついついはダメです。

お祭り好きの県内には、他にも地域のお祭りは盛んです。

夏の3大祭りは、7月初旬のこの「博多山笠」、
そして、北九州市の7月中旬の「小倉祇園太鼓」、下旬の「戸畑祇園大山笠」と続いていきます。

福岡の5大祭りとして数えられるのは、
大晦日から始まる1月上旬の鬼夜(おによ、久留米市)と5月中旬の川渡り神幸祭(田川市) でしょう。

鬼夜は神にささげる火祭りです。

川渡り神幸祭は幟を付けた神輿が彦山川を渡るんです。

どちらのお祭りもなかなかです。 氏子は皆真剣ですから。

 

☑調5 「誇れる美術館・博物館がある」 6位

これは地元にいてもけっこう以外でした。

確かに美術館や博物館はあります。 こういったミュージアムだけで県内に38か所もあるんですね。

マニアックな美術館として私のおススメは、

出光美術館(門司レトロ地区)です。 現在改装中で仮営業ですが、今年の秋には改装オープンする予定です。 そこにある資料映画を是非見てください。

本年12月に公開が決まった岡田雄一主演の「海賊と呼ばれた男」、そのモデルとなった主人公、出光佐三翁が集めた美術品が展示されています。 そして館内には、出光の社内制作映画「日本人」が上映されています。 かつての名優、木村功さんが主演で若き日の佐三を演じています。 戦前から戦後の動乱期をパワフルに描いています。  昭和の生々しい雰囲気が伝わってくるこの作品、これは必見です。

ちなみに、出光佐三氏は福岡県宗像市の出身で、生家が今でも残っています。 赤間宿祭りとして、すぐそばの勝屋酒造さんで春の蔵開きがあり、その時だけは大勢の人でにぎわいます。

 

☑調6 「歴史人物、著名人、職人などにゆかりがある」 9位

ここは、芸能人や文化人を中心に誇っているんでしょう。 あまりにも多すぎて割愛します。 漫画家も以外に多くいらっしゃいます。
こちらを参照してください。 ⇒ 福岡県出身の人物一覧

総理大臣は、麻生太郎現財務大臣がいますが、唯一文官としてA級戦犯となり死刑になった広田 弘毅(ひろた こうき)元総理を挙げておきます。 潔さをもって責任を全うしたその生涯、城山三郎著の「落日燃ゆ」に感じてください。

現日銀総裁の黒田東彦氏は福岡県大牟田市出身で高校から東京なんです。 さらに前総裁の白河方明市は北九州市出身だったんですね。 実は、高校の先輩でした、私も初めて知った次第です。 それに、ソフトバンクの孫正義氏や堀江貴文氏も福岡出身ですね。

 

☑調7 「土産や地域産品がある」

 

☑調8 「地元産の食材が豊富」 7位

これについては、先ほどの魚介類がそうです。 米も美味しいですし、酒蔵も多くあります。 県北も県南も新鮮な野菜を作っていますし、幅広い食材が地元でとれることは事実ですね。 しかし、九州他県も同じくらい地産地消が盛んですので、ここまで自慢までするか、というと感じですね。

沖縄を除く九州全県の人口が約1320万人、そのうち福岡県が約510万人ですから九州の大消費地です。 いい食材が集まってくることだけは確かです。

 

☑調9 「食事がおいしい」 3位

調査1で触れましたが玄海灘の漁港が支える新鮮な魚介類。

食材も豊富ということで、「調査9」の「食事が美味しい」で堂々3位、これはうなずけます。
とにかく、新鮮な魚や野菜が揃っていますから、素材自体がいいんです。

福岡の飲食店は、素材を活かした料理といえばそうなのですが、手のこんだことはあまりやらない、素材に頼ったお店が多いです。 福岡では素材そのものを楽しんでくださいね。 味付けなど凝った料理を期待しないほうがいいです。

 

☑調10  「道路や交通の便が良い」 5位

ここは、なんといったて「福岡空港」でしょ。
このアクセスの便利さは日本一、いや世界一かもしれません。

新幹線博多駅まで地下鉄で5分です。 九州道から福岡都市高速の空港通ランプから降りてこれまた5分です。 現在、ターミナルの再編工事で停車がしにくくなっていますが、2019年3月には本体工事も完了し、滑走路処理容量が若干ですが増えるようです。

福岡は、西日本鉄道が街の便利を一手に引き受けています。 私鉄バス事業では最大手です。 競争らしきものがないので、大都市としてはわずかばかり高い気はしますが、お世話になっていますので。

JR九州は、話題作りとイベント力は抜群です。 鉄道会社でありながら、輸送もしっかり提供し、駅周辺のJRウォーキングを通じて地元の活性化を図ったり、街づくりへの関心が高かったりと、地元民就職人気ランキング1位の会社ですね。

 

☑調11  「人の良さや優しさ、おもてなしが良い」

福岡県は飲酒運転ワーストや暴力団撲滅キャンペーンなど、ちょっと荒くて怖いイメージを持たれている方が多いのですが、基本的にはとってもフレンドリーです。
おもてなしは、照れ屋の九州人、ちょっと下手ですか。

ところで福岡県の方言は大きく5つの地域性があります。 県内でもしゃべりかたは別人種ですね。
その5つは、「北九州弁」、「筑豊弁」、「京築弁」、「博多弁」、それに「筑後弁」です。 「ばってん」「…たい」「…くさ」は博多弁であって九州弁でもない、本当は違うよということをわかってほしいのです。

例えば、北九州市では、いっさいこの語尾は使いません。
「ばってん」は「だけ」や「けど」、「…たい」は「…ちゃ」か「…ち」、「…くさ」は「…やけ」
テレビでお馴染みの「なんしよっと~!」は、「なんしよん!」となります。

武田鉄矢さんが使った「とっと~と」は、状況によって「とっと~け」「とっと~ち」「とっと~ちゃ」の三段活用です。

 

☑調12  「地域を代表する産業や企業がある」 4位

そうですね。 全国に通じる産業や企業、これといって見当たらないのが不思議です。 地元では有名な企業がいくつもありますが、しかし、全国ではどうでしょう。

我が国最初の製鉄所、新日本製鉄や洗浄トイレのTOTO、ロボットの安川電機や地図のゼンリン、エアラインではスターフライヤー、どれも北九州市です。

福岡市、社数は多いのですが全国に名が知られていると思える企業、以外と少ないんですね。 あえて挙げるとすると、コカ・コーラウエスト、ロイヤルが知られてますか。

たぶんローカルな特産品を誇りに思っているのだと思いますね。

これはけっこうあります。

料理では、博多ラーメン辛子明太子梅ヶ枝餅うなぎのせいろ蒸し。
特産農品では、八女茶やいちごのあまおう、春には大馬たけのこが有名です。
工芸品では、博多織や博多人形、小石原焼や上野焼、久留米絣に八女提灯。

産業というより名物として、
中州屋台、ここでお酒と一緒に美味しい食材をいただくき、露店の風情を楽しむ、博多の文化といえます。

最近はインバウンドで中国・台湾・韓国、それに東南アジアの方々が大変多くなり、中州屋台の体験する人も増えましたが、博多駅近くにある商業集積地であるキャナルシティは外国人にすでに占拠されています。

意外なのが福岡育ちの通販会社多いのです。

皇潤(株式会社エバーライフ) ・茶のしずく(株式会社悠香) ・やずや ・キューサイの青汁 ・ヴァーナル(株式会社ヴァーナル) ・アサヒ緑健 など健康食品や化粧品を扱っている各社。 長崎県佐世保を起点とするジャパネットたかたを代表するように九州は通販王国と言われています。

福岡は、規模というより何かと地元愛が強いのでしょう。 自分が一番、という気質が見え隠れしてますね。

 

誇りの原点を考察

出身者の誇りとは何かをあらためて考えてみると、その人が何に対して誇っているのかを問う必要があります。

つまりどういうことかといいますと、ここに回答した人すべてが本当の意味の「誇り」から答えたとは思えないのです。

誇り(Pride)とは「みずからそれを名誉とする感情」をいいます。

しかし、ここでの誇りは、
自慢(Boast)
特色Feature 特に視覚的な)
特徴(Characteristic 一般的な違い)
の3つの意味にわかれると思います。

 

まず①自慢は、自分自身がそう思えば、それだけで自慢となるでしょう。

☑調9 「食事がおいしい」 3位
☑調6 「歴史人物、著名人、職人などにゆかりがある 9位
☑調7 「土産や地域産品がある」 7位

他県の人からこう言ってもらえると自慢ではなく誇りとなるのでしょうが、言葉にださなくとも自分が一番と思っていますから、ここは大きな声を出した方が勝ちです。

 

つぎに②特色は、あきらかに他県ではない、どう見ても抜きんでていると感じられることが特色です。

☑調3 「スポーツの参加・観戦が楽しめる」 3位
☑調8 「地元産の食材が豊富」 7位
☑調10「道路や交通の便が良い」 5位

以外と慎重に判断した結果が、この特色を絞り込んだことでしょう。 調査7の特産品もここにしかなければ、やはり特色でしょう。

 

三つ目の③特徴は、比べてみるとわが県が素晴らしいと、比較して実感する誇りです。

☑調4 「伝統芸能、祭り、イベントがある」 5位
☑調5 「誇れる美術館・博物館がある」 6位
☑調12「地域を代表する産業や企業がある」 4位

どう比較するかが問題ですが、数値で置き換えられることががここの誇りでしょう。 動員人数や施設の数、そして口コミや話題の多さなどもこの材料です。

 

以上の観点から、福岡が名実ともに誇れることは、6項目くらいで、残りの3項目は愛するがゆえに自慢が誇りとなったのでしょう。

いずれにせよ、押し付けや他者への見下しがなければ、「地元愛が強いことは」素晴らしいことです。 「お国自慢」は、どれだけ自分を愛せるか、どれだけその土地に思い入れがあるかで決まってくるんですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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