今、物質・材料工学の基礎研究がおもしろい

これまでは、基礎研究といえば華々しい製品開発と違い、なんとなく陰に隠れた存在でした。 特に基礎研究の中でも物質工学や材料工学といわれる世界はとくにマイナー。 金属なども物質を扱うだけではなく、有機ポリマー(高分子)の活用とあいまって、その世界は広がり、面白さを増してきています。

そこで今回取り上げるのが、「NIMS」という組織。

「NIMS」、正式名称「国立研究開発法人物質・材料研究機構」。 ちょっとお堅そうですが、物質や材料の研究を総合的・専門的に行う国の公的研究機関です。

それにしても、ここの情報発信力は素晴らしいと思います。 YouTubeで紹介動画を頻繁に配信しています。 内容は、私たち一般人でもとてもわかりやすく、教育TVというよりも基礎技術のPRCMという雰囲気です。

私も大学時代は材料工学(特に非鉄金属ですが)を少々かじっていましたので、もともと興味はあるのですが、これだけ面白い技術が一般に発信されると嬉しいですね。 当時私は、工場や精錬から流れ出る廃水に含まれるヒ素(As)化合物を、他の物質に吸着もしくは化合させ、いかに除去するかという研究が卒論でした。 超、マイナーでしょ。

それを考えると、NIMSの研究は夢を与えてくれます。 NIMSの映像ライブラリーは、過去からの発信も含め豊富です。

 

見るとわかる!技術動画のおもしろさ

NIMSは、2016年3月13日(日)放送のTBS番組「夢の扉+」にて紹介されました。

荏原 充宏先生の【スマートポリマー】研究が紹介されたのですが、ぜひ動画でもう一度みてほしい! 番組内でも伝えられていましたが、紹介された「貼る癌シート」「人工透析器」は現在開発中の段階のため、現時点では、実用化まで3年以上かかる見通しだそうです。

へえ、この技術がこんな分野へ応用できるのか! というくらいの内容です。

とにかく、スマートポリマーの紹介動画を見てください。

けっこう驚きですよ

高分子ポリマーがいろいろなものに反応して、すがたかたちを変えるのですから、見ていて飽きません。 でも、どんなことに応用できるの?と考えてしまいます。 しかし、そこは日本が得意なところだと思います。 どんどん発想が進化していく過程を見てください。

 「賢い高分子・スマートポリマーが医療を変える 『最新研究映像 NIMSの力』4」

2013/06/11 に公開

スマートフォンで有名になったスマートと言う言葉。賢いスグレモノといった意味でしょ­うか。新材料の世界には「スマートポリマー」という材料があります。いわば「すぐれた­高分子」。単なるプラスチックではなく、外からの刺激に応えて、形を変えたり、水の中­から現れたり、薬を放出したり…。

 この「すぐれた高分子」を医療に使おうと日々励む研究者がNIMSにいます。しかも、­電気や高度な機械のない環境でも、高度な医療を受けられることを目指して…。

 途上国や、被災直後の日本、あるいは遠い宇宙など、インフラがほとんど整備されていな­い場所で、精密機械に頼らず、いち早く病気の診断をできるようにしたい。これに賭ける­NIMS研究者の取り組みを、ご覧ください。

ポリマーの研究が、医療への可能性を広げることになります。    それも、ガン治療です。 ガンについては、遺伝子治療の研究から免疫力を高める方法まで、様々な治療の最前線でめざましい進歩をとげています。 本当にガンのほとんどが、将来治癒できる病気となるかもしれません。

 「貼って治すがん治療 ~抗がんメッシュ~ 『最新研究映像 NIMSの力』 10」

2014/03/18 に公開 

日本人の死因第一位であるがガン。

新たな材料によって生み出される治療法に高い注目が集まっています。

NIMSが開発したのは貼って治すシート。

手術の際、切除したがんの患部に貼り、あとは体の外から磁力をあてると、温熱療法と抗がん剤治療を同時に 施すことができます。

単独で行う以上に効果があり、しかも、がんの部位だけに集中した治療がおこなえます。

しかも材料がポリマーなのでとても安価。

このシート、なぜこんなに複雑な働きができるのでしょう。

秘密は分子レベルで行った設計にありました。

2016/03/11 に公開  

「携帯型血液透析代替器”と”貼る癌治療”を実現するバイオマテリアル『スマポ』」

 

他にもまだまだ面白い研究を紹介

ここで今までに作成された動画コンテンツからいくつか分かりやすい動画をみつけてきました。

この装置を使ったらいつでもどこでも自分用ミニ冷蔵庫ができますから、どう応用するかですね。

☑ 材料が作る日常品 #1   「熱を電気にかえる材料」

2015/05/27 に公開

新しい材料が、新しい世界を創り出す。

自転車、カメラ、炊飯器、ライト…。

さまざまなモノが持つ機能は、さまざまな材料が実現している。

どんな材料の、どんな性質が、日常品のどんな機能を可能にしているのか。

モノを分解し、機能の元となる材料をとりだし、その材料の特性を明らかにする。

新シリーズ1回目は熱を電気に変える材料「熱電素子」

この材料が可能に日常品はなんでしょ??

確かに、この技術は「ありえるかもね」と考えたとしても、実験映像をみればさすが面白いと思いますよ。 水槽の中で、不思議な世界が見えますから。

 未来の科学者たちへ #07 「見えないガラス」

2015/07/21 に公開

NIMS x EUPHRATES未来の科学者たちへ #07 「見えないガラス」

タマムシが七色に光って見えるのは、そういう理屈だったのか。 それを応用すれば、こんな検査ができるなんて想像もしなかった。 そんな映像です。

 タマムシがインフラ老朽化の発見を容易に!? 最新研究映像 NIMSの力 9

2014/02/11 に公開

見事な輝きのタマムシ、水辺の宝石と言われるカワセミ。

独特の金属光沢があるこれらの色、実は色素がないのに色を出しています。

 光は、非常に細かく周期的な形を持った構造の表面にあたると、

1つの波長の光だけを反射してくる性質があります。

こうして生み出される色の光、これを『構造色』といいます。

色素ではなく、モノの形が作り出す色。時間を経ても色あせることがなく、長持ちします。

 NIMSは、タマムシの構造を真似て、同じように光るシートを作り出しました。

このシート、1つ大きな特徴があります。変形すると色が変わるんです。

例えば橋を支える鉄骨にこのシートを貼れば、橋が変形してきたときに色が変わって

わかりやすいサインを発してくれるかもしれません。

どのように光るのか、なぜそんなことが起きるのか。

このビデオですべてがわかります!

NIMSの映像コンテンツ制作の取り組み

いくつかご紹介した映像コンテンツは、その一部です。

現在、映像は3月15日時点で、7つのカテゴリー73件の動画が収録されています。

どの映像を見てもコンパクトに分かりやすく伝えてくれていますね。

作成されたカテゴリーを年代順にみると、

  1. 「NIMSの驚く!ムービー」 12件 (2009年6月~2014年7月)
  2. 「研究インタビュー動画」 15件 (2011年7月~2013年7月)
  3. 「鮮やか実験映像」 14件 (2011年12月~2015年8月)
  4. 「最新研究映像 NIMSの力!」 19件 (2013年1月~2016年3月)
  5. 「未来の科学者たちへ」 9件 (2013年3月~2016年2月)
  6. 「材料が作る日常品」 2件 (2015年6月~2015年9月)
  7. 「先端研究所の実験装置」 2件 (2015年6月~2015年9月)

年代別の作成コンテンツ数をみると、

  1. 2009年   1件
  2. 2010年   0件
  3. 2011年  14件
  4. 2012年  12件
  5. 2013年  19件
  6. 2014年  9件
  7. 2015年  2件
  8. 2016年  2件

2011年から2013年にかけて、多くの情報を動画発信してくれています。 しかし、最近は投稿件数が減っていますね。 とても残念です。

今回、TBSのTV番組において紹介されことで、関心が高まると思います。

なかなか一般に理解してもらえる機会の少ない基礎技術、今の時代を反映し、わかりやすい動画コンテンツにまとめていただき発信することを希望してます。 特に科学分野は、文字のコンテンツだけでは、一般の人たちへの発信としては、マニア以外かなりのかい離があります。

動画配信以外の広報活動は、積極的にやっています。 広報誌や刊行物、さらにはメールマガジンも発行していますので、登録してみてはいかがですか。 イベント・セミナーも盛んです。

ということで、興味がある方、ちなみに、NMISのHPはこちらです。 ⇒ NIMS

 

もっとみんなで視聴して、日本の基礎技術を盛り上げていきましょう。!

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