「ホームスパン」と検索すると、自然素材を使ったさわやかでシンプルなデザインのTシャツやブラウスが「homspun」というブランドで上位に掲示されてきます。

今回、注目するのは「ホームスパン」でも綴りがちょっと違います。 イギリスで生まれた「homespun」というもの。 直訳すると、家庭で回す、ですから手回しで毛糸を紡ぐことなんですね。 イギリスの伝統織物で、生地としてツイードもホームスパンの一種なのです。 しかし、そのイギリスでも手作業で糸を紡ぐ伝統は継承されていないそうで、今ではココ日本、東北の岩手でその伝統が引き継がれているというのです。

 

東北・岩手で引き継がれるイギリスの伝統織物

 もともとホームスパンってなに?

もともと手紡の、繊度の不ぞろいになった太い紡毛糸を使い、粗く平織に手織機で製織し、縮絨(しゅくじゅう)せずに仕上げた紡毛織物でした。 そのため素朴な味があり、多くの人々に愛用されてきました。 現在ではこの風合いに似せて、繊度を不ぞろいにし、雅味をもたせて紡いだ太番手の機械紡績糸を使い、力織機で織ったものがほとんどです。 この織物の風合いは、ツイードとよく似ているため、混同されることが多いのです。 というのも、ツイードの場合は斜文(しゃもん)であるのに対し、ホームスパンは平織であるということが違っているにすぎません。

手織が生み出す独特の風合いと温かみが特色です。ホームスパンは製織後,手作業でセッケン水に浸し,たたきながらわずかに縮絨(しゆくじゆう)し,その後棒巻き,湯のしをして形を整え,乾燥を行って仕上げます。 布幅は,手織機を使用するので通常はシングル幅(71~74cm)です。

 

 岩手で育ったホームスパンを見てみましょう!

ホームスパンの国産の8割ほどは花巻市東和町で作られているのです。 いわて花巻空港から東に釜石自動車道を10kmほど走ったところに東和町はあります。

敗戦後、食糧難と衣料不足から日本では綿羊の飼育が盛んになり、昭和32年には100万頭を超え、羊の毛を利用したホームスパンづくりも盛んだったそうです。 しかし、現在は国内の羊は1万2000頭程度に減って、農家のホームスパンづくりは消えました。

ただ、技術を伝承し、残っている大部分が花巻市東和町の「日本ホームスパン株式会社」でつくられています。

戦後、ホームスパンづくりに熱心なリーダーがいて、その一人が菊地久さん。 昭和30年「菊地ホームスパン民芸社」を設立、昭和36年「日本ホームスパン株式会社」に組織変更をしました。 久さんは91歳で平成25年に亡くなられ、現在は長男の菊地完之(かんじ)さん(58歳)が社長として十数人のスタッフとともに貴重な地場産業の発展に務めているそうです。

本場の英国スコットランドでも産業革命以前の手法は用いられなくなったといいます。 そのなかでこの「日本ホームスパン株式会社だけが手紡ぎ、手織りの技術を受け継ぐ世界唯一の企業です」とパンフレットで強調されています。

その作成過程と製品の画像がこちら、ホームページからいただいた。

ホームスパン制作
出典:河北新聞
ホームスパン製品

毛糸にシルクを混ぜるなど、織りかたをさまざま工夫しているそうです。 同社の生地はパリやミラノのファッションショウーで使われているほか、フランスなど有名ブランドも買い付けに来ているそうです。 がんばってほしいものです。

 

本場イギリスのホームスパン、ツイード

 

Made in Englandというと高級服地というブランドイメージを持ちますよね。
産業革命以降、注文服とともに繁栄し、ここ数十年の安価な既製服が台頭しだした頃から、徐々にシェアを減らしつつあります。
とはいいながら、今だ人気は高く英国服地の大きな特徴は、比較的太めな糸で織られたかっちりとした風合いの服地です。
モノを大事にするイギリス人の作る服地は、「英式」といわれる効率の悪い伝統的な紡績方式からの梳毛糸で織られる、耐久性にすぐれた丈夫なスーツ地となっています。

 

大ブームとなった素材、ハリスツイード。 しかし、それがどんな生地で、ほかのツイードとどう違うのでしょう?

 地域性こそがツイードの魅力!

100年前から使われているハリスツイードの品質保証を意味するラベル

 生産者まで一目瞭然! 恐るべき品質管理

ブランドタグから読み解けるハリスツイードのこだわりはすごい。 中央のマークは、「ハリスツイード協会」設立者の家紋をアレンジしたもので、ラベル右下には生地の生産者が判別できるシリアルナンバーが記されているということです。

「生地メーカーというと大規模工場で一括生産しているイメージが強いのですが、ハリスツイードの場合は、スコットランド北西部の島、ハリス&ルイス島の島民たちが自分の家の織機で、生地を織るというホームスパンなのです。 そして完成した生地を“ハリスツイード協会”という団体を通して、ハリスツイードというブランド名で世に出しているわけですね。 ツイード作りは、日本でいうと地域名産の米づくりに近いです。
日本ではハリスツイードだけが突出して有名ですが、アイルランドの“ドニゴルツイード”など、ツイードにはほかにもたくさんの産地があります。 そんな産地にこだわった地域性こそがツイードの魅力です。

 

 ハリスツイードだけがなぜ今でも高い知名度を誇るのか?

現在は協会が厳しく品質を管理しているそうで、いっとき大量生産品が世に出回ったことで、逆に世界中にその名が広まったわけです。 しかし、やはりその魅力は、伝統が持つ豊かなストーリー性と、生地の質実剛健な雰囲気にあるでしょう。 まさに一生ものと言われても過言ではありません。

 

 ハリスツイードは「しまむら」ともコラボしていた!

そんな時代を超えた魅力を放つハリスツイードですが、セレクトショップを中心に、その人気ぶりに拍車がかかただけではなく、あのファッションセンター「しまむら」ともコラボしているんですね。

さすが、「しまむら」さん。 「しまむら」と「アベイル」のお店を足すと1600店舗をゆうに超えていますから、そこは大量発注ですよ。 そこに柄とサイズを揃えて各店数を掛けても1アイテム数万点になりますよね。 ブーツやポーチなど、コラボ商品はめじろ押しですからこのタイアップは驚きです。 しかし、知る人とぞ知るというブランドをもってくるなんて素晴らしい。 いくら安くても良いものは良いですからね。 来冬も期待しています。

 

~ まとめ ~

ホームスパンは、イギリス伝統の毛織物です。

その中でもツイードは、ハリスツイードに代表されるように伝統を守り、生産管理もされている品質が高い生地です。

また、日本の岩手ではホームスパンの伝統を唯一踏襲して、素晴らしい製品を生み続けています。

時代はAIをはじめオートメーション化され、大量生産も可能となり、少量多品種生産も可能となっています。

その中で伝統を守り、本物の手作りにこだわり、それであって新しい挑戦を続けていく地域発信の元気企業。

日本のものづくりを支えてている素晴らしい事例だと思います。 応援してます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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