5月5日は何の日というと、みんな迷わず

「こどもの日」「端午の節句」

と誰しも答えるでしょう。

 

子供たちにとってもゴールデンウィークは大事なお休みですから、

「こどもの日って、僕たちの休日?」

くらいは知っているかな。

 

子供向けのことばで説明できますか?

 

しかし、私たち大人でも、

「どうして、こどもの日なの?

  端午の節句ってなあに?」

 

と聞かれたら、けっこう答えにつまるんじゃないでしょうか。

わかりやすい言葉で子供たちに説明できますか?

 

ということで、

今回はいきなり「子供向け」の答え

お話し風に返してあげたいと思います。

 

質問を簡単にすませるには

 

☑ こどもの日って何なの?

 

⇒ 「〇〇ちゃんがこれからも

    元気で立派に育ってくれるよう
    みんなでお祝いする日なんだよ。

 

これで簡単に済ませてしまう、これもアリかもしれません。

ですが、もうちょっと丁寧に説明してあげましょう。

 

すこしこだわってみる端午の節句

 

子供たちから

☑ 端午の節句こどもの日ってちがうの?

と尋ねられました。 さて、

 

⇒ 「そう、いいところに気が付いたね。

こどもの日ができたのは、昭和のころなんだ。

 

その時代に世界で戦争があったんだけど、

日本は負けちゃって、みんな落ち込んでたの。

 

知ってるかな?太平洋戦争。

負けちゃってこれから大変だけど、

もう一度、

元気をとりもどして、がんばるぞ!とね。

 

そう、今からの日本を元気にするのはあなたたち子供なの。

 

じゃあ、毎年忘れないために『こどもの日』を

祝日にしちゃおうということになったわけ。

約70年くらい前のころだったかな。

 

こどもを大切にし、

  こどもの幸せを願い、

お母さんに感謝しましょう!』ってね。

 

毎年5月5日は児童愛護デーという行事がもともとあったので、

じゃあ、端午の節句という風習も5月5日だから、この日にしよう!

って決めたらしいの。」

 

もう少し詳しくツッコミたいなら

 

☑ 「端午の節句って何? こどもの日と違うの?」

と聞かれ、より詳しく語ってみましょう!

⇒「こどもの日って、むかしの日本では

女の子の日」だったんだ。

女の子たちが田植えをする前に、

ゆっくり体を休める日だったの。

 

で、中国から伝わってきた「不思議な草」、

菖蒲(しょうぶ)」を飾るようになったんだって。

 

なんで菖蒲かっていうと、

夏のあいだ病気にかからないようにと、昔の中国で考えたみたいだね。

 

家の門に菖蒲をかけて、悪い鬼さんを家の中へ入らないようにしたんだって。

病気や悪いことが起きないように、田植えが無事に終わるようにと、飾ったの。

 

お米は大事な食べ物だから、ケガレをなくしカラダを清めて

神様に無事をお願いすればきっと豊作になる、と願ったんだね。

 

そうやってお祭りをしていたんだけど、

やることがどんどん変わってきたのね。

 

女の子の日』が、いつのまにか『男の子の日』になってしまった。

なぜかっていうと、

菖蒲の葉っぱの形を見てごらん。

先がとがってるから、

武士がつかうに似ていたんだね。

 

それに、男の子って戦争ごっこするでしょ?

戦争ごっこは遊びだけど、

昔は、「体が切れちゃう刀」で、本当に戦ったの。

 

戦争すると、どちらかが勝ったり負けたりするでしょ。

これを『勝負(しょうぶ)』っていうよね。

 

ほら、さっき言った門に飾ったり、

お風呂に浮かべたりする

菖蒲(しょうぶ)』と同じ言い方だ。

 

だから武士は、戦(いくさ)で勝てますように、負けませんようにって、

お願いの気持ちを込めて、菖蒲を飾ったの。

 

戦(いくさ)は男がするものだ、というのが当たり前だったから、

5月5日の端午の節句が『男の子』のお祭りへと変わっていったんだよ。

勝負に負けないという願いだけじゃなく、江戸時代には

将来、

立派な大人になってほしいなあ、と

鯉のぼり』を立てるようにもなったの。

 

鯉の滝登りといって、元気な鯉はぐんぐん滝を登るのね、

だから、〇〇くんも

鯉のように世の中をどんどん登っていってほしいんだね。

難しい言葉でいうと、

立身出世を願う』というんだ。

それに兜(かぶと)はね、

戦(いくさ)では頭を守る大事な道具なんだ。

だから、飾ることで子供を守ってくれるんだね。

 

それと『元気に育ってほしい』って気持ちもこもっているんだよ!

それにいろいろ飾ったほうが楽しいでしょ?

 

もともとは『女の子の日』だし、『こどもの日』って名前だし、

男の子だけのお祭りじゃないんだよ。

 

○○くんも、○○ちゃんも、元気いっぱい育ってほしい』って

願いがこめられているのが、

こどもの日』なんだよ。

 

わかってくれたかな!」

 

さらなる質問に答えましょう(補足説明)

 

☑ 「ちまき柏餅(かしわもち)をどうして食べるようになったの?」

⇒ 「ちまきを食べる風習は、中国から来たんだ。

昔の中国に、春秋戦国時代という時代があったのね。

 

その時代の楚という国に

屈原(くつげん)という

とっても有名な詩人がいてね、

彼は政治家でもあったんだ。

 

屈原は、敵対する秦の国の謀略を見抜いて、

自分の国の王である懐王を必死に諫めるんだけど、

これが聞き入れてくれないの。

 

結局、秦に捕らえられて、獄中で死んでしまうんだ。

国の将来に絶望した屈原も、川に身を投げて死んじゃうんだね。

 

これを、地元の人たちが、

『悔しかっただろう』と、かいわいそうな屈原を慰めるため、

笹の葉に米の飯を入れ』て、川へ投げ込むようになったんだ。

 

これが、「ちまき」の始まりといわれているんだよ。」

 

☑ 「ドラゴンボート(龍舟)も関係あるの?」

⇒ ついでだけど、沖縄や長崎に伝わる

ドラゴンボートの競争

これも同じような由来なんだね。

 

川に入って死のうとした屈原を救出しようと

民衆が、先を争って船を出したことが始まりといわれてるんだ。

 

実は、旧暦5月5日は、その屈原の命日でもあるんだ。

私たちが使っている新暦では、だいたい6月の9日前後だね。

 

今では、『国際ドラゴンボート協会』があって、

日本でも『日本ドラゴンボート協会』が幅広く活動しているんだ。

毎年、各地で競争を催してるよ。」

 

☑ 「柏餅も団子の節句に食べるけど、どうして?」

⇒ 「柏餅(かしわもち)を、端午の節句で備えるようになったのは、江戸時代なんだ。

 

柏(かしわ)の葉っぱは、新しい芽が育つまで古い葉が枝から落ちないのね。

だから、代々家系がつながっていく、子孫繁栄という縁起を担いだんだよ。」

 

ということで、

端午の節句」といい「こどもの日」といい、

 

子供たちが、これからも元気ですくすく育っていって欲しい

という願いを込めた日なんですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。