4月1日に書いた記事はどうも嘘っぽくて仕方ない。 本気?

とご心配いただくメールをいただきました。

たしかに1日はエイプリルフール、軽いウソならついても許される日でした。 だったらもっと実体験に基づいたようなコンサル的にも凄いと言われるエグイ文書を書けば良かった。

顧客に対して、そうお客様に対して営業上、軽いウソはみなさんついているかもしれません。 それは、ウソというより、社交辞令、営業上の褒め言葉、そう理解していますよね。

実は、顧客の立場に回ると、このウソが意外に分かるんです。 何がって? あなたのお気遣いがです。 この気遣いというやつが曲者で、顧客の受け取り方は、必ず二手に分かれます。

顧客はお客様ですから決して下手にはでません。 ほとんどが「買ってあげる」という立場です。 せっかく買ってあげる立場で悠々と売場まで来たのに、目の前に手もみして待ってましたと歯が浮いた接客を受けたらどうでしょう。 きっと、引いてしまいますよね。

また逆に、なんの関心も示さず、面倒くさそうに受け答えだけしている販売員に出くわしたらどうでしょう。 この時は、「ほかの店で買うぞ!」と言いたいような、気分悪いし、でもああ面倒くさい、しかたがない、そう思われていますよ。

結局、上のどちらにしても顧客にとっては気分が悪いんですね。

じゃあ、その真ん中の路線ってなんだよ、ということになりますが、これこそがサービスの原点なのだと思います。

英語のサービスの意味は、他人に対する「奉仕」、「役に立つこと」、「助け」、「尽力、骨折り」の意味です。 それは、正直というよりお客様に対し真正面から真摯に向き合うことです。

リアル現場の接客というものが少しわかったところで、参考にしながらネット上の「セールスコピー」で何か商品を売ることを考えてみます。

顧客の心をつかむセールスコピーとは

リアル現場においてグッドな接客の数々は、すべてお客様を中心とする考え方や進め方が基本でした。

その理解のもとに、前回のキーワードを思い出してみましょう。

「気持ちの共有」、「問題の共有」、「親近感」、「信頼感」、「解決策」、「提案」、「お勧め(絞り込み)」、「行動を促す」

でした。

前回の記事はこちら ⇒ 接客から学ぶセールスコピーの売り方ダントツ化と本質(1)

これらキーワードを元にセールスコピーの作成も行うわけですが、共通して根底に流れていることは、「誰に向けて書いているかを明確にイメージ」して書くということです。

じゃあ、例を出しながらセールスコピー文を書いてみたいのですが、その前にもう一度キーワードの意味を確認しておきましょう。

「気持ちの共有」

接客でも相手の気持ちになって応対しようと言っています。 ネットのセールスコピーを見て、いきなり冒頭で「この商品は素晴らしい。こんな効能がある。買わないと損。だから早く買って!」みたいに押し売りされると、引くどころかさっさと撤退してしまいますよね。 ネットですから偶然の再検索はあるにせよ、ここではまず買わないでしょう。 他にもたくさんショップがありますから。

多くのサイトの中からたどり着いてくれたわけですから、大変ありがたい存在です。 しかし、店舗のように、「いらっしゃいませ」とフレンドリーな声掛けはできません。

じゃあ、どうするかというと、一見なんかまともそう、画像がきれい、サイトのイメージもいい、ページのタイトルコピーもけっこういけてる、そのような瞬間的な観点で、顧客は次の文章へ進んでくれます。

とくに記事のタイトルコピーは、SEO的(検索エンジンに検索されやすいキーワードを盛り込むこと)に言ってもとても大事です。 このタイトルで目にとまるのですからね。

「問題の共有」

顧客は、ここでやっと「中身を読んでみようか」と興味を持ってくれる段階へ入りました。

その時の第一文、いわゆる接客の「つかみ」の部分は、抱えている問題の共有です。 買いものに来たわけですから、顧客には買う目的や理由があるはずです。 つまり、顧客は今どんな悩みや課題に直面しているのか、を共有することです。 学習机なら「子供が新入学なので」、障子紙なら「破れてみっともないし、友人が来るので」、健康食品では「最近体調を崩し病気をした、体質改善をしたいので」と、理由は人それぞれです。

つまり、自分が抱えた問題を解決するにはどうしたらいいか、くらいの気持ちで買いにこられていると考えましょう。

特にネットは、この導入部分が大事です

何故かというと、自分でも体験済でしょう、さっさと見た目で判断し、ページの滞在時間は僅かなものです。

ということは、この「つかみ」の良し悪しで先を読もうかという気分になれるのです。

「親近感」

この親近感を得るためには、けっこう生まれつきフレンドリーな人もいますが、なんといっても「顧客に寄り添う」という気持ちが大事です。

「ああ、この人も同じ悩みを抱えてたんだ」とか「友達のようになんか一緒に考えてくれそう」とさりげなく身近な人になれれば、接客の会話も弾みますよね。

セールスコピーでは、「共感」と言う言葉に置き換えてもいいくらい、買う人、つまり顧客と同じ目線に立ち、自分の経験や同じ悩みを持っていることをさりげなく伝えることです。 セールスコピーの世界では、ストーリー仕立てにするのも良しでしょうが、単純に五感に訴える第二文でも良いと思います。

「信頼感」

親近感が湧けば、次第と信頼感は生まれてくるものです。 せっせと顧客のために奔走したり、丁寧なセールス文が何度も続いたりと、お騒がせが仮にあったにせよ裏切らず、挨拶や行儀にはうるさく、同じ価値観へ寄り添うように続けることが信頼感につながっていきます。

セールスコピーでは、顧客から「売り込んでいるじゃない」という誤解を避けるためにも過度な押し付けをやめ、信頼を勝ち取るまで真摯に向き合うということです。

「解決策」

ここまで来て初めて、第三文として細かく商品の機能や効能、さらには特徴や効果を伝えることができます。 サイトのおススメしたい商品が何にこだわっているかを見極め、伝えていきます。

ここで大事なのことは、「わかりやすい」文章であり内容であるということです。 小難しい効能や蘊蓄をやたら並べてもあまり意味がありません。 載せる必要はありますが、顧客にとっては参考程度のことで、知りたいのは自分の問題をどう解決してくれるのかということが中心です。 それをわかりやすく伝えなければなりません。

「提案」

解決策を示した後は、いよいよオファー、提案をしていきます。 問題を具体的に解決するための提案、つまり薬だったり、運動器具だったり、商品を明確にして、サンプルを付けたり、特典などおススメの提案をしていきます。

ここまで読んでくれたということは、解決策を提示して興味を持ってもらえたということです。 でも「興味は持ったけど、購入というとお金を払うということでしょう」、そこまではまだちょっとね。 そんな声が聞こえてきます。

「お勧め(絞り込み)」

敢えてここでは、ターゲットを狭めていきます。 目の前の顧客の顔が見えないわけですから、条件に合わない人がいるかもしれません。 気に入って買おうとしている人へ水を差すかもしれませんが、あえて条件を満たす人であるかどうかを問いかけてみます。

例えば、食品だと「量に限りがあり期間限定」であるだとか、ダイエットですと「毎日続けようと思う人だけ効果がある」などと敢えて心の決心を促す言葉を入れてみたりします。

顧客に、「そうか、今注文しないとまた来年まで待たなければならないな」、「そうか、そう言われれば、続けようと誓ったんだよな」と曖昧だった気持ちを絞り込ませることができます。

「行動を促す」

ここはクロージングといわれるところです。 ネット販売ですと、カートに入れて支払方法直前まで入力した状態です。 ここまで行くとみんな買ってくれるのかというと、そうは問屋が許さないのが現実です。 俗に「カゴ落ち」と言われるもので、なんと30%~40%の人が、この段階で、「やっぱりやめとこう」と買い物を断念するんですね。

つまり、最後に肩を押す役割の言葉が必要になってきます。 最後に「後悔しない理由」や「今しかない」と思わせるような理由を提示してあげましょう。 信頼を勝ち得ているなら、より多くの人がここで行動を起こしてくれるはずです。

仮に今回購入していただけないとしても、かなりの信頼関係が出来上がっていれば、「リピート」という形で顧客は戻ってきてくれます。

そのためには、やはり最初に戻りますが、信頼されるサイトでありつづけ、価値のある情報を発信しつづけることではないでしょうか。

~ まとめ ~

ここまで、接客術のセオリーから学び、セールスコピーの書き方を考えてきました。

顧客の心へ届くコピーは、同じように一定のセオリーがあります。 それは、昔から数々のセールスマンやマーケッターが研究してきたことです。

いくつかのバージョンの組み合わせがあるにせよ、その構成や流れは変わっていません。

それは、法則と言っても過言ではないようです。

次回は、具体的にセールスコピーを書いてみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。