「あなたの提案が却下される理由は『上司の断り方』でわかる」というDIAMOND onlineに掲載された秋山氏の記事を参考に、私自身の経験を踏まえ、勝手気ままに談じてみました。

前回も書きましたが、企業において「提案力」は不可欠です。 とはいいながら、自分の中では凄いと思う内容でもダメ出しを食らったり、将来必要だと思っていてもスルーされたりと、理不尽なことが多いのも提案時の辛いところです。

それは、自分が悪いのか、上司が悪いのか、それとも内容が稚拙なのか、上司がバカなのか、いったいどうなっているんでしょう?

そんな疑問を解くカギが、上司の「断り文句」です。 その中ににじみ出ている示唆を読みとってみます。

前回の記事 ⇒ 「提案力の勧め!上司の「断り文句」からめげない学ぶ力」(併せて読んでくださいね!)

 

前回までの上司の「断り文句

☑ そもそも提案する「資格がない」

① 百年早い

② お前は何様のつもりだ

③ 結果を出してから言え

④ 俺のやり方が気にくわないのか

この言葉を潜り抜けようと思うなら、相手を知り、相手が賛同しやすいような言葉を使うなり雰囲気を作り出す努力が必要です。 若いときはこれが不得意なんです。

 

☑ 内容が提案として「成立していない」

⑤ ちゃんと検討できていない

⑥ それで、結局何がしたいの?

⑦ 具体的じゃないな

⑧ 俺を犯罪者にしたいのか?

⑨ 誰がやるの?

⑩ いくらで売るつもりなんだ? いくらお金をかけるつもりなんだ?

⑪ 仕組みが複雑すぎる

⑫ 日本にはいったい何人住んでると思ってるんだ?

この文句を投げかけられたら、自分の提案の甘いところが指摘されていると思わなければいけません。

甘いところがあっても自信を無くさないでください。 将来を理解不能にしている元凶が自分にあるとわかっていない上司もいますから。

とくに現代は、変化が激しいですから、「時は生なり Time is Life.」です。 つまり、「のんびりしてると命取りになることがありいますよ」、てことです。 どんどん提案し、行動してみしましょう

 

☑ 提案が会社や上司から見て「魅力的でない」

⑬ 頭のいい奴が考えそうなことだ

⑭ 大義がないな

⑮ サイズが小さいな

⑯ まともすぎる

⑰ 中途半端だな

⑱ 筋がよくない

⑲ なんであいつらの真似をしなきゃいけないんだ

⑳ 地域や領域の特殊性を考慮していない

㉑ かつて同じようなことをしてダメだった

㉒ 前例はあるのか

㉓ 換金できないだろう

㉔ 今がいいタイミングなのか?

㉕ 最初は良くても、その先が見えないな

自分が良かれと思っても、企業の収益は顧客から得られるものですから、その提案が顧客目線でユニークな提案であるかどうか、そこにつきます。 上司が何と言おうと、ここだけは忘れないようにしましょう。

そして、提案力には、跳ね返されても「あきらめない」という気持ちが必要です。 決定権は、上司が握っているのですから、「賽(さい)は投げた」なら、投げっぱなしにせず、しっかりフォローしましょう。

 

上出来の提案書、最後にイエスと言わない上司の理由

ダメ出しを食らった提案書を見直し、テーマを魅力あるものに磨き上げ、考慮不足を補い、十分なる検討を加えてきました。 それでも、「提案が通らない」。 「なんでうちのトップは理解しないのか?」と恨み節が出てきそうです。

しかし、そこには「社内の隠れた事情」や「役員が生理的に受け付けない事情」、さらには「虎の尾を踏む事情」が横たわっていたりします。

このへんの事情になると、いちサラリーマンの遠吠えだけで風向きが変わるとは思えませんが、あきらめるのはまだ早いです。 突破口があるかもしれません。 いっしょに考えてみましょう。

 

事情を呑み込んだ提案か?

㉖ 聞いたばかりで、すぐには決められない

㉗ リスクが大きすぎる

㉘ 他にやるべきことがあるからごめん!

㉙ ちょっと違うな

㉚ 競合を本気にさせたくない

㉛ なんとなく失敗しそうな気がする

㉜ 勝手にやれば?

㉝ ○○さんの地雷を踏むからやめておこう

㉞ いろいろあるんだよ

㉟ 方角がよくない

㊱ 出世が遅れるぞ

㊲ イマイチわくわくしない

上司のNOをどう解釈したらいい?

 

㉖の「聞いたばかりですぐには決められない」、これは元上司の立場としてもよくある話です。

いきなり提案を持ってきて、「どうしましょう?」。 これはない。 いくら内容が大丈夫そうであっても、十分な検討をしているかもさだかではないし、なにしろ唐突すぎる。

このようなときは、以前の記事にも書いたように、「クイック&ダーティー」でいきましょう。

簡単に言うと、8割がたのまとめでいち早く上司に相談し、意見を求めブラッシュアップしていく。 相談されている上司の理解も深まり、信頼を得ることができます。 そして最終的な案を提示する方法ですね。

 参考記事  「全力でやる、ことで見えてくるもの。ビジネスではクイックアンドダーティーで行け!

 

㉗の「リスクが大きすぎる」、この言葉が出たらおしまいでしょう。

成功の可能性を認めつつも、決断を躊躇する上司、まさにサラリーマンです。 どのくらいのリスクを取って、リターンを求めていくかがビジネスです。 この関係がくずれている提案を否定するならうなずけますが、会社にとって千歳一隅のチャンスであるにもかかわらず否定したとしたら、それは保身です。

事業部長や役員に相談したとしても、もし彼らがサラリーマンであったら決断できないでしょう。 きっと、「役員会にかけます」だの「オーナーに聞いてみなければ決められない」と逃げるはずです。 しかし、彼らを責めても仕方ないことです。 提案者が、覚悟をもって騒ぎ立てない限りは、握りつぶされます

 

㉘の「他にやるべきことがあるからごめん!」、これを発する上司は2つのタイプがいます。

優先順位をつけて物事をちゃんと進めていくタイプ。 もう一方は、一つのことしかできず面倒くさがる、または逃げるタイプです。

サラリーマン社会の中間上司には後者のタイプが多いかもしれませんが、このタイプには何度も重要性を繰り返すしかないですね。 はなからやりたくない姿勢ですから。

前者の優先順位をつけて進めるタイプの上司には、重要性を訴えながら待つしかないでしょう。 早めに情報を入れていなかったあたなが悪い、とあきらめましょう。 上司との事前のコミュニケーションが大事ですね。

 

㉙の「ちょっと違うな」、これは個人的には大変よく発した言葉です。

私の場合は、「この提案、いや~、おしい~!」と叫んでいました。

「おしい」という言葉を聞くと、提案者は悪い気はしません。 あともう一歩なんだ、と思うんです。

しかし、実際はそういうニュアンスでは使っていませんでした。 実は、「大変、残念な提案でした。」という意味で使っていたのです。

「ちょっと違う」「いや~おしい」には結構重要な真理が隠されていることが多いのです。

一言の言葉でいいあらわせられない、「会社や仕事にとって重要な思考や行動の原理原則」に沿っていないことを感じ取っているのです。

それを長々と説明するわけにはいきません。 説明するくらいなら自分で提案書を書き直したほうが早いですから。 それを取り上げてしまうのも理不尽でしょう。 ですから、再提案を促す意味で使っていました。

もし、こういう言葉を上司から受けたなら、「何が違うのか」「どこがおしい(ダメな)のか」を教えてもらうよう頼み込むことです。 上司のそんなに暇ではありませんから、自分からお願いしましょう。

 

㉚の「競合相手」を意識する上司ですが、どの立場で「競合を本気にさせたくない」と思っているかを確認しましょう。

孫子の兵法ランチェスターの法則にのっとって判断しているのかどうかを。 つまり、「強者の戦略」それとも「弱者の戦略」でことを運ぶのかということです。

 

参考のために概要を載せておきます。

1.三つの戦略原則

ランチェスターの法則から導き出された戦略には、以下の三つのポイントがあります。

 ナンバーワン主義: 強者のみが安定した地位を得られるという考え方

 弱者・弱点優先攻撃: 弱者が強者と戦う際に、争うプレーヤー数が3以上の場合、自身より下位のものを攻撃する、
または相手の弱点を攻撃することを優先させ、最終目標の強者撃墜に近づくという考え方。 弱いものいじめの原則

 一点集中主義: 弱者の戦略の基本、攻撃目標を達成するまで攻撃を続けることを意味する

2.弱者の戦略 (基本は、差別化戦略)

 局地戦: スキマ市場やニッチ市場に競争の場を特化し、トップ企業と戦う

 一騎打ち: 資源を集中し、トップ企業と戦う

 接近戦: 強者に先んじて、顧客ニーズの把握や顧客へのコミュニケーション強化を図り、
戦略の確度(商品のヒット率)を上げる

 一点集中: 攻撃目標をひとつに絞り、強者の弱点を重点的に攻める

 陽動作戦: 従来のパターン以外の展開を測り、強者を出し抜く

3.強者の戦略 (基本は、ミート(追随)戦略)

つまり、弱者が取る差別化戦略に対して、その差別化のポイントに追随して、弱者の競争優位性をなくすという戦略です。

 広域戦: 弱者の局地戦に対応

 確率戦: 弱者の一騎打ちに対応

 遠隔戦: 弱者の接近戦に対応

 総合戦: 弱者の一点集中に対応

 誘導作戦: 弱者の陽動作戦に対応

 

㉛の「なんとなく失敗しそうな気がする」、上司の長年の勘ですから尊重しましょう

その言葉を聞いたとき、即座に時代の変化を理解させる「ひとこと」が言えたなら別ですが。

 

㉜の「勝手にやれば」、この言葉は他部署の先輩上司からよくいわれたものです。

どういうことかというと、提案が自分たちの部署だけで完結する内容ではなく、他部署も巻き込んで改善や改革が行われるべき事柄である場合です。 とくに保守的な立場を取りやすい経理財務などの管理部署の抵抗は大きいです。

やっかいなのが、事前に相談すると、その段階でつぶされることもありますから、どのような手順でことを運ぶべきか、これは上司を含めて周到な社内調整が必要でしょう。

一番簡単な社内調整は、トップダウンで事を進めることです。 あとは、プロジェクトに他部署を積極的に参加させるという手を使うしかありません。

 

㉝㉞の「地雷を踏む」、「いろいろあるんだ」。 多かれ少なかれ人間が構成している会社組織、人に強い弱い、雇用の上下関係、それに経営者と労働者という関係。

つまり、「逆らえそうにない人がいる!」ということです。

ここが人間社会、とくに会社は組織社会ですから、皆がフラットというわけにはいきません。 関係を知らず、地雷を踏んで、今まで煮え湯を飲んだかたも多いことでしょう。

こればっかりは、社内の事情通に相談してなるべく事なきを得るように努力してください。 私事ですが、この方面が不得意でして、生意気が上をたびたび怒らせてしまいました。 組織社会ではいたしかたないことです。 いやなら、独立するか自由業を選択するしかありません。

 

㉟㊱の「方角がよくない」、「出世が遅れるぞ」はイマイチ提案者としてはどうでもいいことです。

しかし、気にする経営幹部がいるなら配慮すべきでしょう。 なんとかなるなら変え、なんともならないなら理由をきちんと説明しましょう。

「出世」というものを、あなたがどう捉えるのかによって違ってきますが、「遅れるぞ」といわれる限りは「遅れる」のでしょう。 革新的なことを提案すると、反発を買うような組織であれば、やはりそのような組織なのですから、「遅れてもいい」くらいの覚悟を持って臨むべきです。

「出世が遅れるぞ」という言葉が上司からでるような企業は、保守的な大会社でしょうから、今後はますます減っていくのではないでしょうか。 組織を内側からしか見れないような企業は、これからの時代、生き残れないと考えるからです。

 

㊲の「いまいちワクワクしない」、これを上司に言われるようでしたら、即座に提案を引っ込めましょう。

ワクワクしたいというのですから、ワクワクさせてあげてください。 上司や経営幹部をワクワクさせる提案を再提出しましょう。 社内をワクワクさせることのできない提案は、顧客をワクワクさせることが難しいでしょう。

 

~ まとめ ~

上司の言葉を引用させていただいた、秋山氏には感謝します。

ここに挙げた37の「上司の断り文句」(原文では38)は、多かれ少なかれ皆さんは遭遇していると思います。 実際、私も数多く遭遇していますし、自分でもその言葉を吐いたことがあります。

どちらにせよ、その言葉の裏にはいろいろな事業が横たわっています。

「ああ、上司から却下といわれた!」と落ち込むのではなく、事前に言わせないだけの努力と気遣いをしたか、言われたなら、それをバネにして再提案できるか、そこが問われます。

是非、参考にして、よりよい提案を通じて会社や社会を変えてみてはいかがでしょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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