上司が思う「仕事ができる部下」のタイプ、トップ3は?(1)
「いや~、いい部下に恵まれて、私も幸せですよ」
「うちのチームは、メンバーそれぞれが個性を発揮してくれて、
とてもバランスがとれているんです。それが当社の強さかもしれせん。」
上司としては、そんなありがたい言葉を吐いてみたいものです。
今回は、会社や職場で上司から見て「こんな部下が欲しい」と思う、仕事ができる部下のタイプを整理してみました。
果たして、あなたはどのタイプに当てはまるでしょうか。
「私は『望まれる部下』ではないですよ、むしろ嫌われてます」と卑下する部下の方もいらっしゃると思いますが、そこは部下が上司を選べないわけですから、我慢して読んでみてくださいね。
|「仕事ができる部下」のタイプ、トップ3
上司が、こんな部下が欲しいと望んでいるタイプを3つにまとめてみました。
☑ 1.自律歩行型部下
☑ 2.感度良好型部下
☑ 3.関係構築型部下
じゃないでしょうか。
チームに同じタイプの人間ばかりですと、チームとしての最大の威力は発揮できません。 多様性のあるメンバーがおのおのその分野で力を発揮してこそ上手くいきます。 この方法を「チームビルディング」といいます。 チームビルディングについては後日に譲るとして、ここであげた特徴ある3タイプの役割を考えてみましょう。
|自立歩行型の部下はチームに必須
このタイプは、自分で考え、自分で動けることが最大の長所です。
何か問題が起きたとき、自分から役に立ちそうな改善案を考えたり、積極的に関わろうとしてくれます。 自分の考えを持っていますので、「こうするべきではないでしょうか」と意見を言ってくれるのもこのタイプです。
現代社会は、情報化が進みその課題も多様性を含んでおりかつスピードを求められます。そのような時に対応できる自立歩行型の部下は、チームにおいて必須な存在でしょう。
また、上司から見て結構楽な存在です。 モチベーションは高く、頻繁なコミュニケーションを取らずとも、自分なりに仕事に取り組んで行きます。 ただ、何を考え、今どんなことへ向かって行動しているかの把握は必要です。 ときたま暴走する可能性があるからです。
|感度良好型の部下は参謀
このタイプは、情報を集め、変化を感じ取り、よきアンテナになってくれることが最大の長所です。
仕事を進めていく上で、様々な情報やそれに伴う変化を察知することはとても大事なことです。 情報の収集は、インターネットや社内イントラだけでなく、それ以上に職場や取引先との生の情報を入手し、世の中の雰囲気とも照らし合わせ、独自の臭覚でかぎ分ける、この才能が大変貴重です。
感度良好型は、発する言葉にけっこう「気づき」が多く、ハタと気づかせてくれるありがたい存在です。 また、アイデア出しや、提案の細目を固めるときにも力を発揮します。
しかし、上司から見て気を遣う存在です。 自分の情報は圏外に置いていますので、たまに「不平不満」になっていないか、単に相手を攻撃しているのではないかと注意が必要です。 また、自分が情報通であることを自覚していますので、持ち上げてやることがたまに必要かもしれません。
|関係構築型の部下は調整役
このタイプは、まわりと良好な関係をつくることができ、バランス感覚が素晴らしいところが最大の長所です。
営業職であれば、取引先にも可愛がられますので、厳しい交渉の際は脇に置いておきたい存在です。 社内他部署との関係においても、相談事を持ち込みやすいタイプですし、各部連携が必要な案件で力を発揮します。
チームビルディングにおいては、メンバーの人数より数倍のマンパワーを発揮することが求められます。 この時、社外・社内かかわらず、メンバー同士の関係を良好に保ち、コミュニケーションを高める必要があります。 そんなに目立つ存在ではありませんが、常に出番は多いと考えても差し支えありません。
チームが機能するためには、人間関係においてロスを発生させないことが重要です。 「チームとしてどうも噛み合わない」だとか、「彼とは一緒にやれない」など、意思の疎通からくる問題や、感情のもつれからくる問題が出て来るからです。 チームの潤滑油的存在はどのような組織でも必要ですね。
|最高の部下
最高の部下は、上の3つの素質を全部持っている人間です。
上司がこのような部下を持つと、大抵の上司は仕事をしなくなります。 仕事をしなくなるというのは大袈裟かもしれませんが、「よきにはからえ」的な感覚になって、案件を丸投げ状態にしてしまうことです。 そうなると、逆にそんな上司要らないということになってしまいますので注意してください。
デキル最高の部下を持ったら、上司である自分もさらに多くの案件を持って仕事をする気概が必要でしょう。
ただし、全部を併せ持つ部下はおいそれとはいません。
|デキル部下の資質とは
いままで書いた上司が望む3タイプの部下が持つ長所と資質を見てみましょう。
☑ 1.仕事に対する熱意と情熱
☑ 2.仕事に対する考え方と志
☑ 3.仕事に対する知識やスキル
☑ 4.仕事に対する思考力や決断力
☑ 5.仕事に対するセンスや直観力
☑ 6.仕事でのコミュニケーション能力
☑ 7.仕事での良好な人間関係構築力
この7つが資質として考えられます。
このすべてが揃えば最高なのですが、完璧な人はそうはなかなかいません。 人には得意不得意があるように、大事なことは、「自分の長所がなんなのか」をちゃんと知ることです。
|すべての基本は仕事へ対する情熱
7つの資質を挙げましたが、仕事においてどの資質も同じバランスで必要なのでしょうか。 また、重要度に違いはあるのでしょうか。
プライベートではなく仕事としての資質ですから、まず「プロフェッショナル」といわれる人たちに共通する大事な資質をまず考えてみましょう。
プロにとって第1に必要なものは、仕事を完遂させる「3.知識やスキル」です。 これがなければ、まずもってプロではないことは誰でも承知します。
しかし、プロにとって知識やスキルは一旦習得すればそれで終わりというわけではなく、本当のプロは勉強し続けていきます。 技術の追求には終わりがないからです。
それを考えると、やっとプロといわれるようになった人と、長年その世界でプロと言われている人との共通点はなんでしょうか。
それは、まず「1.熱意と情熱」ではないでしょうか。 次に「2.考え方と志」だと思います。
「考え方と志」を二番に持ってきたのは、経験を積み重ねるごとに考え方と志は進化していくと考えるからです。 そう考えますと、変わらないのは「情熱」ではないでしょうか。
情熱は、良い仕事をするうえでは、新人であろうがベテランであろうがプロであろうが、必ず持っているはずです。 情熱を持った人が、その仕事はそこそこでいい、なんて考えることはないでしょう。
昔、尊敬する先生からこう教えられました。
「情熱とは、心の中で小さな炎を燃やし続けることです。」と。
熱意やモチベーションは、人ですから浮き沈みはあります。 しかし、仕事に情熱を持てると、それはずっと継続させることができます。
熱意のある人は、どんどんパワーアップしていくので先に行くほど高い成果を出し続けます。
|情熱を呼び起こすもう一つの方法
しかし、ここで問題があります。
今の仕事に対して情熱や熱意がない、志がない、という部下がいた場合、どうしましょう。
「○○君、もっと頑張ってくれ!」と言葉で言っても、おいそれと熱意や志が高まるということはありません。 彼の心に対し何かのきっかけがあるか、もしくは大きな変化をもたらす環境が彼に対して起こらなければ、熱意やモチベーションが高まるのは無理です。
しかし、環境を変える以外に情熱を呼び起こすもう一つの方法があります。
それは、「好きなことをやる」ということです。
自分は「どうすれば熱くなれるのか」を考えることです。 また、上司は「部下の好きなことは何なのか」つまり長所は何なのかを見つけ育ててあげることです。
人は好きなことであれば、たいていの人が時間を忘れてそのことに没頭するはずです。 良くしたい、上手くなりたい、喜んでもらいたい、と思うはずです。 「好きになる」ということは、「苦にならない」ということですから。
~ (1)のまとめ ~
上司が欲しい部下のタイプは、3種類あります。
☑1 自律歩行型部下
自分で考え、行動するタイプ
☑2 感度良好型部下
社内外にアンテナを張り、情報感覚がするどいタイプ
☑3 関係構築型部下
関係先との人間関係を重視し、良好なバランスをとるタイプ
デキル部下の資質を7つに分けると、
☑ 1.仕事に対する熱意と情熱
☑ 2.仕事に対する考え方と志
☑ 3.仕事に対する知識やスキル
☑ 4.仕事に対する思考力や決断力
☑ 5.仕事に対するセンスや直観力
☑ 6.仕事でのコミュニケーション能力
☑ 7.仕事での良好な人間関係構築力
できる部下は、1.の情熱が仕事を遂行するためのすべての基本です。
情熱がないと思うなら、
部下である自分が「何に熱くなれるか」を考えることです。
上司なら「部下は何が得意か」を発見し育てることです。
環境を変えることができなければ、「好きなことをやる」という選択肢があります。
そこから熱くなれること、情熱が湧いてきます。
3.以降の項目については、次回の記事にまとめますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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