前回の記事、「上司が思う「仕事ができる部下」のタイプ、トップ3は?」の続き(2)です。

「いや~、いい部下に恵まれて、私も幸せですよ」 「うちのチームは、メンバーそれぞれが個性を発揮してくれて、 とてもバランスがとれているんです。それが当社の強さかもしれせん。」 上司としては、そんなありがたい言葉を吐いてみたいものです。 今回は、会社や職場で上司から見て「こんな部下が欲しい」と思う、「仕事ができる部下」のタイプ。

それが以下の3タイプでした。

「仕事ができる部下」のタイプ、トップ3

 1.自律歩行型部下

自分で考え、行動するタイプ

 2.感度良好型部下

社内外にアンテナを張り、情報感覚がするどいタイプ

 3.関係構築型部下

関係先との人間関係を重視し、良好なバランスをとるタイプ

最高の部下

最高の部下は、上の3つの素質を全部持っている人間です。 しかし、 全部を併せ持つ部下はなかなかいませんからね

そこで「できる部下」が持っている「長所と資質」を、前回7つに整理しました。

できる部下の資質とは

 1.仕事に対する熱意と情熱

 2.仕事に対する考え方と志

情熱が仕事を遂行するためのすべての基本です。 情熱が自分にないと思うなら、 部下である自分が「何に熱くなれるか」を考えることです。 上司なら「部下は何が得意か」を発見し育てることです。 環境を変えることができなければ、「好きなことをやる」という選択肢があります。 そこから熱くなれること、情熱が湧いてきます。

これがいい仕事をする上で欠かせない資質でした。

それでは、この情熱や志を持っているという前提で、
今回は3.の資質について考えてみましょう。

 3.仕事に対する知識スキル

 4.仕事に対する思考力や決断力

 5.仕事に対するセンスや直観力

 6.仕事でのコミュニケーション能力

 7.仕事での良好な人間関係構築力

前回の記事を参考に ⇒ 上司が思う「仕事ができる部下」のタイプ、トップ3は?(1)

3.知識やスキルで差をつけろ

☑ コト(情報)の本質を考えろ

ここで重要なのは、単なる情報としての知識ではなく、どのくらい質の高い情報となっているかです。 別の言い方をすれば、どれだけコト(対象)の本質に迫っているか、どれだけ掘り下げて考えているかが問われるわけです。

上司としては、情報を持っていること自体はありがたいのですが、知識というのは情報を「知った」上で、「識別」するという情報の取捨選択が行われていることが求められます。

☑ 情報は取捨選択しろ

つまり、その情報は正しいか正しくないか、また、役に立つか役に立たないか、ということですね。 玉石混交の多種多様な情報の中で、その仕事に必要な部分だけを獲って来れるスキルが重要です。

この情報を取捨選択できるスキルというのは、先ほど言った「本質を見極める力」であるとか、「掘り下げて考える力」というものが備わってこそ成し得ることができます。

☑ すべてに疑問を持て

例えば、受験勉強のことを思い出してみてください。

昔あれだけ勉強したにもかかわらず、どれだけのことを覚えているでしょうか? 記憶力の良い人はなんとか思い出せるでしょう。 しかし、その情報が何のための知識か、どうしてそうなるのかなどの本質的な理解まではなかなか及んでいないのが現実です。

この本質的な理解はどのようにして得られるかというと、数学の公式ひとつにしても「なぜ?」「どういうこと?」「どうしたら?」という疑問をもって問題を解いていくことです。

☑ 「理解」に努めた知識は永続する

この「理解」というやつは、普段の授業や家での予習復習においてじっくりやるべきことなのですが、いざ受験となると限られた時間の中で一気に大量に覚えようとしますので、単なる記憶に留まっているんですね。

歴史であれば物語のように理解し、地理であれば旅行へ行くつもりのように理解するのです。 数学であれば、定理や公式が導かれた経緯に興味を持ったり、論理的な検証を面白がって考えたりする癖をつけると理解は深まります。

このように、本質を理解した知識というものは、なによりも素晴らしく、年齢を重ねてもなかなか忘れることのない知識となります。 これを多く持ち活用できる人が、「スキルが高い」ということです。

将来の子供たちには、「理解」中心の勉強法を!

余談ですが、賢い子に育てようと思うなら、詰め込み勉強させることよりも、いつも「どうしてかな?」「なんでだろ?」「調べてみようか?」と問いかける勉強が最高です。

世の中、知識は多くても自分でどうしたらいいか判断できない人を多く見かけます。 将来、社会へ出て、自分の頭で考えられる人間、自分のスキルで勝負したい人は、大人になってもこの姿勢が大事なんですね。

特にこれからの時代は、AI(人工知能)やそれを備えたロボットがますます開発され、人間に替わる労働力として期待されています。 とって替わられる職業が幅広いことに驚きを隠し切れませんが、そのような時代どのようなスキルが大事だと思いますか?

当然、知識労働だけでは負けますし、AIにとって代わられます。

ここでは詳しく書きませんが、4.以降の資質である思考や決断力、さらにはセンスや直観力というものは、機械にはまだまだ難しいと考えられます。

仕事で重要なポジションを任される人間になりたいと思うなら、ここの資質を高めていく必要があるでしょう。

~ (2)のまとめ ~

仕事に役立つ「知識やスキル」を持つとは、

☑ 情報を本質レベルに掘り下げて考えることで、より使える知識となります。

☑ 世の中の溢れる玉石混交の情報を取捨選択することで、本質をついた知識となります。

☑ コトに対し「疑問」をもって取り組むと、理解が深まり知識が深まります。

☑ 「理解」を中心に置いた学習は、半永久的な知識となります。

☑ ここで培われた「知識」をもってコトに当たれる資質が「スキル」といわれるものです。

「スキルがある」と言われる人は、

☑ 仕事に対して豊富な知識を持ち、

☑ 本質を見る目でタイムリーに必要な知識を持ち出し、

☑ 実際に使えるところまでの技術となっている。

☑ その技術によってある一定以上の成果が期待できる。 そんな人です。

4.以降の項目については、次回(3)の記事にまとめます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。