糖度=甘さが同じ、それは誤解! 他の成分によって味は別物!【相関図】
さあ、連休。 ダイエットに取り組むぞ!と意気込んでいるあなた。
運動で痩せる、食べ物で痩せる、気を使いますね。
ふつうに生活していても、食品にはこだわる方は特に多いです。
「糖度」がどうだとか、「炭水化物」がどのくらい含まれているかなど、
私も含めて果物や野菜を選ぶとき、気になります。
|糖度で比較? カン違いしてませんか!
これからの季節、おいしい果物や野菜がたくさん食卓へ。
「この野菜は、糖度がぶどうと同じなんです。 甘くて美味しいですよ。」
なんて、スーパーのPOPを見て、そうか、とウナズいていませんか?
実は「糖度」が高い、だから「甘い」とは限らないのです。
どういうこと?
その理由はこうです。
|数ある糖分、計測はショ糖だけ
糖度とは糖度計で計測した数値ですが、糖度計で計測する糖分はショ糖だけです。
つまり、糖度10であれば、「100g水 にショ糖が10g含まれてます」、ということです。
しかし、ショ糖以外にも「甘み」を感じる成分が沢山あります。
例えば、果物に含まれている糖分には、果糖、ブドウ糖、ショ糖など何種類もありますが、「甘み」は微妙に違うのですね。
代表的な糖分を”甘み”の強い順に並べますと、果糖が一番強く、次にショ糖、ブドウ糖といった順番になります。
できれば各成分を綿密に計測すればいいのですが、糖分には種類も多いですから、甘みの中間であるショ糖を計測することによって甘さの基準としているのです。
ということは、野菜や果物を比較するのは間違いなの?
同じフルーツで糖度が一緒でも甘さに違いがあるの?
という疑問がでます。
先ほどのように、野菜と果物の品種を比べてもあくまでもショ糖成分だけの比較ですから、
「甘さは実際食べてみなけりゃわからない」というのが真実です。
上のグラフのように、糖質が高い果物が確実に甘い、とは言えないみたいですね。
|同じ種類なら比較はOK
でも、同じイチゴどうしなら比較してもOKです。
「このイチゴは糖度14度です。 一般的なイチゴに比べれば5度も高いんですよ」
同じイチゴの品種の中で比べていますからね。
甘さといえば、スーパージャンボやとよのかなど糖度14度以上のものがあります。
福岡が生んだ人気品種である「あまおう」の糖度は、実は11度以上となっています。
「大粒で甘くて美味しいあまおうですから、11度とは意外!」と思われるでしょう。
イチゴには酸味もあります。
あまおうは、酸味とのバランスが良いので数字以上に甘く感じるのです。
糖度計で測定した結果は、それらの糖分の総量ですから、それぞれの糖分のバランスが違えば、当然甘さに違いが生まれます。
このように、糖質の甘さは種類によって違うので、単に糖質の量だけを測っても実際の甘みはわかりません。
さらに、酸味や苦味、野菜では辛味などの成分が混在していますので、そのバランスによって感じる味が変わってくるのですね。
そう考えると食材選びや料理法は難しいです。
|野菜の糖質量と炭水化物量の相関
野菜の糖質量と炭水化物量の相関関係もとってみました。
結論からいうと、糖質と炭水化物が100g中に含まれる量は、下のグラフのように、正の相関がありあます。
糖質が多いということは、炭水化物も多いという結果ですね。
|調理法で甘さが変わる
調理法で甘さが変わる、わかりやすい例を出しましょう。
新玉ねぎをボイルした「温玉ねぎ」。
生ではあんなに辛い玉ねぎが、温めるととても甘くて美味しくなります。
どうしてなんでしょう?
|玉ねぎはもともと甘い
玉ねぎはもともと甘い野菜なんです。
玉ねぎの平均糖度は7度、トマトは5~7度、一般的なイチゴは8~9度しかないんですよ。
糖度からも玉ねぎはもともと甘いといえます。
甘さ一番といわれる淡路島産の玉ねぎの糖度は10~13あります。
これは、果物のレベルですよ!
|寝かすと甘みがさらに増す
玉ねぎを直接かじったことありますか?
淡路島産の玉ねぎ、直接かじったことがありますが、手放しでも甘いとはいえません。
むしろ辛、甘~って感じでしょうか、普通の玉ねぎですと「辛い~」が先にきますよ。
しかし、玉ねぎは出荷前に寝かすと甘みが増すといわれています。
「寝かせないですぐ出荷した玉ねぎ」と「出荷前に十分寝かせた玉ねぎ」の糖度をくらべると約2倍に増えているんですね。
|寝かすと今度は辛みが増える
しかし残念なことに、同じように寝かすと辛みも増してくるんです。
寝かせると、寝かせた分だけ比例して「辛み成分」も増えています。 その辛み成分が強いせいで甘さより辛さの方が勝ってしまうわけなんです。
新玉ねぎを甘く感じるのは、糖度が十分というより、この辛みの発生が少なく辛さをほとんど感じないからです。
|加熱すると辛みが消える
しかし、このやっかいな「辛み成分」、加熱すると消えてしまう性質をもっています。
ですから飴色まで炒めますと辛みが消え、玉ねぎが本来持つ甘みが出てきます。
オニオンスープの作り方、思い出してみてください。
炒めることで、玉ねぎの細胞を壊しより辛みが飛びます。 水分も蒸発しますので甘みが凝縮され、さらにコンソメと交わってコクがでて、いっそう甘く深いスープの味を感じることができます。
ということは、「玉ねぎ」でいうと、
新玉ねぎが季節の春は、なんてたってスライスした「新鮮サラダ」にもってこいです。
さらに新玉ねぎをポンと二つに切ってレンジで「温玉ねぎ」。
ポン酢をかけて食べてください。
春だから食べれるこんなに甘くて美味しいシンプルな料理です。
通常の茶色い玉ねぎは、加熱用として使い分けましょう。
こうやって理屈がわかると、糖度の違いだけではなく、調理法でも食材の味は変化するということが理解できます。
ちょっと料理が楽しくなってきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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