本日は立春です。

昔、中国では冬至を起点としてましたが、日本では天保歴から「春分点」を起点に24分割するようになりました。

暦を24等分する「二十四節気」は季節を感じるには味わい深い分け方ですね。細かくは七十二候もありますが、とにかく一年のスタートとして「節分」を含め私は大事にしてます。

 

今回は、立春とお酒、それに食文化と海外進出について考えてみたいと思います。

 

まずは、立春でのおめでたい食べ物5選です。

立春は1年の始まり

立春を旧暦のお正月と捉えますと、おめでたい食べ物は?と思いますよね。 調べました。

1.立春朝搾りの酒
2.立春生菓子
3.立春大福
4.立春大吉餅
5.立春大吉豆腐

日本酒大好きさんとしましては、1.の立春朝搾りの酒は見逃せません。

 立春で飲むお酒(日本酒)

これも調べてみました。 日本名門酒会(公式サイト)によると、

立春朝搾りの酒」を提供してます、

以上の38蔵元が参加されていました。

地元福岡の蔵元さんから一つ紹介しますと、

おめでたいラベルで用意されております。

生ですから、火入れ前の搾りたてですね。フレッシュで口当たりがまろやかな生原酒、いただきたいものです。

日本の食文化はこれだからたまりません。 季節の食材をふんだんに味わうという分化があります。

食文化を考える

和食文化を大事にしながらも、和食に携わる外食企業は、人口減や若者の和食離れなど課題をかかえています。 しかし一方、海外では和食の人気は日増しに高まってきています。 素材を活かしたヘルシーさやスープにこだわった麺料理など繊細な料理が多いことで、他国の食文化とは一線を画してます。

 海外進出する京の和食

今日の京都新聞にこんな記事がありました。

和食店の海外進出、鍵は現地流

 世界的な和食ブームを受け、京都、滋賀の外食企業が相次いで海外に出店している。人口減少などから国内市場の縮小が進む中、外食産業にとっても外需の取り込みが今後の成長を左右するとみて、てんぷらやとんかつ、ちゃんぽんといった日本の人気メニューで海外市場に切り込んでいる。

天ぷらの圓堂(京都市東山区)は1月初旬、米ロサンゼルス市の高級住宅街、ビバリーヒルズ地域に初の海外店をオープンした。富裕層向けの百貨店やレストランが並ぶ商業地域の一角で、広さは約100平方メートル。北山杉の丸太を使ったカウンターを設け、個室も備えた。

てんぷらは、伝統的な魚介や野菜だけではなく、牛肉やトリュフ、キャビア、ウニなど現地で好まれる高級素材を使っている。コース料理の価格帯は1万8千~2万8千円で、日本に比べ1・8倍だが、高級な料理ほど人気があるという。

遠藤弘一社長は「高級てんぷらは揚げ物とは違い、新鮮な素材と良質な油を使った健康食であることを広めたい」と話し、初年度の売上高は約2億円を目指す。今後も出店を続け、5年後に米国内で5店舗体制にする計画を掲げる。

飲食店経営のフクナガ(中京区)は、京風とんかつ店「かつくら」を中国・上海市で年内に2店舗に増やす方針。2012年に開店した1号店は、来店客1人当たりの単価が2千円前後と高く、売上高も毎年約2割伸びている。成功した要因は現地の需要に対応した品ぞろえだった。中国人は夜間に定食を食べない傾向が強いため、一品料理を幅広く提供して人気を集めているという。

ちゃんぽん店「ちゃんぽん亭総本家」を展開しているドリームフーズ(彦根市)は年内に海外に出店する方針。数年前から東南アジアや欧米で出店場所を探してきたといい、「麺類の人気は海外でも年々高まっている。特に関西風のだしは幅広い年齢層に受け入れられるはず」(管理部)と自信を示す。

活路を海外に求めようという取り組みです。

マーケティングの観点から海外で成功している企業の特徴を見てみましょう。

 成功する海外進出条件

まず、勝負の形態は大きく分けて三つの戦略があると思います。

1.王道で勝負

「日本と同じ」味、メニュー、価格を貫くことで、ステータスの高いブランドの確立を目指します。

2.現地の嗜好に合わせる

ブランドを象徴するコアな商品の味と品質は守るが、日本の飲食店としての核を作りつつ、メニュー全体としては現地化を徹底することで市場に受け入れられることを目指します。

3.日本品質で価格破壊

日本で丹念に磨きこんだオペレーションと開発した食材に裏打ちされた、高品質・低価格の両立戦略で展開することを目指します。

「王道を目指す」場合は、ブランド力と味にこだわりますので高コストになります。出店地域もブランドを維持できる場所に限られますし、高所得層がターゲットになります。 この戦略で現在展開している有名企業は、タイや台湾で成功している「大戸屋」とインドで高級レストランとしての基盤をつくった「CoCo壱番屋」ではないでしょうか。

「現地の嗜好に合わせる」場合は、提供する料理のバリエーションを現地の食材を使ってどれだけ増やせるか、というところにかかっています。それには事前の調査が大事ですし、出店後は試行錯誤とメニューの頻繁な入れ替えを覚悟しないといけません。 この戦略で現在展開している有名企業は、アジア各国でアレンジに挑戦する「吉野家」、中国を600店以上を主体に各国メニュー豊富な「味千ラーメン」

「日本品質で価格破壊」の場合は、同じ品質のオペレーションを持ち込まないといけませんので、設備や現地の人材教育には十分注意が必要です。価格は現地水準を大きく下回るよう、食材調達や採算性をチェックします。 この戦略で現在展開している有名企業は、中国に進出しているサイゼリアがあります。

 失敗例が面白い

例1)ある和食チェーンは、中国では高めだが、日本に比べると安い価格設定で進出しました。この地域は、舌の肥えた日本駐在員が多いところだったことも影響し、「××さんも格が落ちた」といわれ、中国人客、日本人客ともに中途半端なポジションと認識されて撤退を余儀なくされたということです。

例2)インドネシアでは、日本スタンダードをアピールしながら、中途半端な教育で店の運営を現地スタッフに任せでしまった結果、肝心の料理の質が伴わずに苦戦を強いられた例もあるようです。

明快なポジションのもとで十分な品質の料理を提供しても、市場特性との不整合で成功できない例もあります。

例3)安くて美味しい焼き餃子が主力商品のある中華料理チェーンは、「餃子と言えば水餃子であり、焼き餃子は「余りもの」と見なす」中国の食文化の壁を打ち破れずに苦戦を強いられました。

例4)ある日本食チェーンは、高級野菜を目玉に食べ放題のメニューで中国市場に挑みましたが、「野菜は安物」という中国消費者の価値観を変えられず、撤退に追い込まれています。

アジア市場に進出する日本の外食企業はますます増えていくと思われますが、味や価格設定が中途半端になったり、現地の食文化に適合できなかったりで苦戦を強いられ、撤退に追い込まれるケースも後を絶たないでしょう。

 日本のクリンリネスとサービスのクォリティは差別化の最大要因

インドのCoCo壱番屋では、客が席に着くと、清潔なおしぼりとスプーン、安心して飲める水がすぐに提供されます。 日本ではごく当たり前のクリンリネスとサービスですが、アジアの人たちの目には、驚きに近い水準に映るのです。

現地従業員の教育も徹底して日本式を教え込む必要があります。 日本では客とか顧客という言い方はしません。企業側からみてあくまでも「お客様」です。「売ってやってる」「与えてやってる」「ここは高級なんだ」と勘違いさせずに、お客様が払う金額の対価として商品やサービスのクオリティが決まります。しかし、日本では対価以上に、従業員が加えることのできるクリンリネスやサービスといった付加価値を大事にします。 つまり、それを生み出すのは、その意義を理解させる現地教育の徹底ですね。

これが、日本ブランドを海外へ継続的に浸透させるカギになると考えます。

 

~ まとめ ~

今回は、立春の記事から外食産業の海外進出という話へ飛んでしまいましたが、季節の頃合いや相手を推し量り料理を作り楽しむ日本人のあり方そのものが、日本食文化の発展に大きな礎となっています。 そこを掘り下げ、大事にしながら日本食を、海外へ広めていって欲しいものです。

立春に限らず、四季折々の食材と料理、プラスお酒を味わってみる。

これまた人生の格別ではないでしょうか。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。