先日のニュース(米国時間2/11)で、アルバート・アインシュタインが100年前に存在を予言した「重力波」について、アメリカのチームが観測に成功したと発表しました。 存在を予言していたにもかかわらず、現在まで誰もその探知に成功できなかった難題でした。

このニュースも凄いなと思いましたが、

ダーウィンにも同じようなことがあったのですね。 これも約100年後に証明されたんです。

 

評価されなかったダーウィン

チャールズ・ロバート・ダーウィン(1809年~1882年)は、昔学校でも習いました「進化論」で有名なイギリスの科学者ですね。

人間にはなぜ感情が備わっているのか? この疑問を最初に追及したのは、自然選択説による進化の理論を打ち立てたダーウィンでした。 ヒトがサルから進化したという結論に至ってから、ヒト独自の性質がどのように進化したかを真剣に考えたのです。

 

 時代の先を行き過ぎたダーウィン(1872年発表)

ダーウィンが発表した『人間及び動物の表情について』(1872年発表)という本。 人間の感情や表情に関心を抱き、動物との比較研究を通じて書き上げました。 しかしこの本は、あまりにも時代を先駆けていました。

まあ、なかなか受け入れてもらえず、時は100年流れていったのです。

心理学者のポール・エクマンが、1960年代にダーウィンの著作を知って驚いたのですね。

ポール・エクマン(1935年~)は感情と表情に関する先駆的な研究を行ったアメリカの心理学者で、20世紀の傑出した心理学者100人に選ばれています。 エクマンは、アメリカのテレビドラマ『Lie to Me( 嘘の瞬間)』の主人公カル・ライトマン博士のモデルとなった実在の精神行動分析学者なのです。

そのエクマン氏、ダーウィンの研究を検証しました。

 

 |ダーウィンの研究とは

ダーウィンは世界各地の人たちにさまざまな表情の写真を送り、写真がどんな感情を表しているかを尋ねました。その結果、喜び、悲しみなどの表情が文化の違いを超えて人類共通であるという結論を下していたのです。

20世紀中頃まで、大部分の人類学者は、表情は完全に学習の産物であり、文化間で全く異なると考えていました。 エクマンが研究を始めた1960年代には、表情を含む人間の社会行動は文化に依存するという、女性人類学者マーガレット・ミードらの見解が広く支持されていました。

しかし、ダーウィンは、人類共通だと100年前から唱えていたのです。

参考にした写真がこちら、

FacialExpressions
(出典 : ギョーム・デュシエンヌの1862年の著書『人の表情メカニズム』より。デュシエンヌは電気刺激を与えることでどの筋肉がどの表情と結びついているのかを調査した。ダーウィンは後の著書でこの写真を再録し、動物の表情と比較した。)

 

 ポール・エクマンの再検証

1930年代にニューギニア高地の先住民が「発見」されたとき、彼らが友好のあかしとして笑顔を用いていたことは西洋の人類学者と社会学者を驚かせました。

エクマンの研究は、怒り、悲しみ、恐れ、驚き、嫌悪、幸福感、表現に関する表情が人類共通であることをしめし、ダーウィンの100年前の主張を確かめたのです。

エクマンによれば、文化的背景に関係なく、また文化が孤立しているか他の文化にさらされているかに関係なく、他の感情との関係は分化普遍的であるとしています。 生まれつき視覚と聴覚に障害を持つ人も、儀礼的な作り笑いなどはできませんが、基本的な表情は健常者と共通だといいます。

ポール・エクマンは、ダーウィンの結論に最初は疑問を抱きました。 前述しましたように、彼が研究を始めた1960年代には、表情を含む人間の社会行動は文化に依存するという、女性人類学者マーガレット・ミードらの見解が広く支持されていたからです。

そこでエクマンはミードが調査したニューギニアを訪問し、狩猟採集生活を営む人たちに他の異なる文化の下で暮らす人たちの写真を見せて、写真から感情を正しく判断できるかどうかを調べました。

その結果、ニューギニアの人たちは、喜び、悲しみなどの表情を写真から見分けることができたのです。 エクマンは同じ実験を、ボルネオ・アメリカ合衆国・ブラジル、そして日本でも行いましたが、結果は同じでした。 1969年にサイエンス誌に発表されたエクマンの論文は、表情が人類共通であることを世界の科学者に知らしめました。

ダーウィンは正しかったのです

エクマンが人類共通であることを実証した表情は、喜び(幸せ、happy)、悲しみ(sadness)、怒り(anger)、嫌悪(disgust)、怖れ(fear)、驚き(surprise)の6つですが、これらの表情の分類はダーウィンが先鞭をつけたものだったのです。

 

 エクマンの6つの表情

これがけっこう面白いんです。

 

エクマンは、人の表情を6つに分けましたが、その前に顔の単独で動くところを上・中・下の3つの部位に分けています。

顔の上部 : ①ひたい  ②まゆげ

顔の中部 : ③目  ④まぶた  ⑤鼻の付け根

顔の下部 : ⑥ほほ  ⑦鼻  ⑧口  ⑨あご

それぞれの箇所の動きを読むことによって、相手の感情を読み取ろうとします。

 

 |6つの表情の特徴は!

 

1.喜び(幸せ、happy)の表情

④ ⑦ ⑧ 下部と下まぶた

2.悲しみ(sadness)の表情

② ③ ④ ⑧ 顔全体

3.怒り(anger)の表情

② ③ ⑦ ⑧ 3つの主要部分

4.嫌悪(disgust)の表情

④ ⑦ ⑧ 下部と下まぶた

5.怖れ(fear)

① ④ ⑤ 顔全体

6.驚き(surprise)

① ② ③ ⑧ ⑨ 顔全体

 

次回はダーウィンのさらなるおもしろ発見を紹介します ⇒